昔から、ツバメが家に巣を作るのは幸運のしるしとして喜ばれていました。
ところが最近はツバメの糞の問題で、迷惑と感じる人々も増えています。
もし、ツバメに巣を作らせたくない場合は、巣を作る前兆を見極め、しっかりと対策をすることが大切です。
対策方法はいろいろありますが、簡単にできる方法から少し手間がかかるものまで、幅広くご紹介します。
さらに、勝手に巣を撤去する行為が法律違反になる可能性についても解説します。
ツバメが巣を作る前兆は?
壁に泥が付くのを見かけたら、それはツバメが巣作りを始める前兆と見なすことができます。
ツバメの巣に使われる材料は泥や藁、枯れ葉などが主です。
これらを唾液で固めて、壁にくっつけていきます。
壁に泥がくっつき始めたら、ツバメがその場所を巣作りに適していると判断した証拠です。
面倒かもしれませんが、泥をこまめに落とす作業が必要になるでしょう。
ツバメの巣は撤去しても大丈夫?
自宅にツバメの巣が新しく作られた場合、法的に問題はないので安心して撤去可能です。
しかし、巣に卵や幼いツバメがいる状態での撤去は違法となるため、ここは特に注意が必要です。
「鳥獣保護法」によりツバメは保護されており、この法律は鳥の卵や幼鳥を取ることを禁止しています。
そのため、巣に卵や幼鳥がいる間は、撤去を避けるべきです。
しかし、行政機関への相談によって、卵や幼鳥がいても合法的に撤去できる場合があるので、お住まいの地域の行政窓口で相談することをおすすめします。(撤去には適切な理由が求められることもあります)
一般的にはヒナの巣立ちを待つ以外に選択肢はありません。
一方で、ツバメが巣立った後の巣は撤去しても問題ありません。
その場所がツバメにとって適した環境であったということになりますので、次の巣作りを防ぐための対策を立てましょう。
撤去後も注意を怠らず、迅速に次の手段を講じることが重要です。
ツバメの巣作りを防ぐための対策4選
ツバメが家に巣を作るのを防ぐためのさまざまな方法をここで紹介します。
簡単なものから少し労力が必要なものまでお伝えしますので、自分の環境に合った方法を選んでみてください。
アルミホイルを使う
普段の生活でよく使われるアルミホイルを使って、ツバメを遠ざける方法です。
ツバメが巣を作りそうな場所にアルミホイルを貼るか、吊るす方法があります。
どちらの方法も比較的簡単にできますが、少し見た目が気になるかもしれません。
そういった場合は他の対策を検討しましょう。
ガムテープで壁を滑らかにする
ツバメは凸凹のある壁面に巣を作りやすい傾向にあります。
そこで、壁にガムテープを貼って滑らかにすることで、巣作りを妨げる方法があります。
見た目の影響を考慮する必要はありますが、有効的な方法と言えます。
ネットを設置する
ツバメの侵入を防ぐためには、ネットの設置が有効です。
細かいメッシュのネットを選ぶことが大切です。
適切なサイズのネットがない場合は、複数のネットを重ねて使う方法も良いでしょう。
これにより、ツバメが近づくことを効果的に防止できます。
スプレーを使用する
見た目が気になるのであれば、鳥よけスプレーが便利です。
ホームセンターやインターネットで販売されている鳥よけスプレーを使用します。
頻繁に家を訪れるツバメがいる場合は、早めにスプレーをかけることがおすすめです。
この方法は見た目の心配が少ないものの、定期的な再スプレーが必要で、手間がかかります。
また、ツバメ専用のスプレーはあまり一般的ではなく、鳩用のものを使うことになるため、効果については確信が持てない点がありますが・・・。
最近は、吊るすだけで簡単に鳥が嫌がるにおいを発するグッズもあります。
ツバメの巣作りの時期と好む場所
ツバメが巣を作る時期は一般的に3月の終わりから6月の終わりにかけてです。
ただし、これは地域によって若干異なります。
特に温暖な地域、たとえば九州や四国では3月末から巣作りが始まり、その波は徐々に中国地方や関東地方へと広がります。
日本へ渡ってくるツバメは、パートナーを見つけた後、巣作りに適した場所を選びます。
巣作りに最適な場所の条件は以下の通りです。
- 雨や風から守られること
- 天敵からの脅威が少ないこと
- 泥が壁に付着しやすいこと
これらの条件に合致する場所で、ツバメは巣を作ります。
雨や風から守られる場所
例えば、家の玄関の軒下など、雨風から守られる場所はツバメにとって巣作りの最適な場所です。
巣が壊れる心配が少なく、安全に育児ができるのです。
雨風を避ける場所を見つけるツバメの能力は素晴らしいですね。
天敵の脅威が少ない場所
ツバメの天敵には、蛇やカラス、猫などがいます。
つまり、天敵の脅威が少ない場所、例えば人が多く行き交う場所が好まれます。
駅のホームで巣を作るツバメが見られることがありますが、これは人が多い駅がツバメにとって安全な場所であることを示しています。
泥が付着しやすい壁
凹凸のある壁は泥が付着しやすく、ツバメにとって巣作りがしやすいといえます。
巣をしっかり固定できることは、ツバメにとって非常に重要です。
そのため、ツバメは泥がよく付く凹凸のある壁を選んで巣を作ることが多いです。
まとめ
ツバメの巣が作られるのを防ぐためには、前兆を見逃さないことが鍵となります。
アルミホイルや粘着テープなど、手軽に試せる方法もあります。
一方、ネットの設置は少し手間がかかるものの、効果は長く続きます。
ツバメが巣作りを始める時期は地域によって異なるため、家の周りでの飛行や壁への泥の付着には早めに対応しましょう。
巣に卵や幼鳥がいる場合の撤去は法的問題を引き起こすため、注意が必要です。
巣の初期段階や巣立ち後の撤去は問題ないです。
今年もツバメの巣に困らないように、こちらで紹介した対策を実施し、ツバメのシーズンを乗り越えましょう。