鶏肉を使った料理はその美味しさや栄養価の高さで、私たちの日々の食卓に欠かせない存在です。
ただし、鶏肉の料理を作る際に気をつけたいのが、中心部が生焼けになってしまうこと。
鶏肉は他の肉類と比べても厚みがあることが多く、内部までしっかりと熱を通すのが難しいんですよね。
外はきれいに焼けていても、中はまだ生焼け、なんてことはよくあります。
だからこそ、料理がしっかりと加熱されているかどうかを見極める方法を知っておくことが重要です。
そこで今回は、特に中までしっかり火を通すのが難しい鶏肉の生焼け判断のポイントや、適切に加熱するコツをお伝えします。
これで、食事の時に不安に思ったり、慌てたりすることなく、安心して鶏肉を楽しむことができますよ。
鶏肉の生焼け判断のポイントは?
鶏肉の生焼けが心配な時は、まず色と肉汁をチェックしましょう。
ここでは、鶏肉の生焼けを判断する上で大切な3つのポイントをご紹介します。
鶏肉の中心部が白くなっているか?
鶏肉を加熱する過程では、外側から徐々に熱が中心部へと伝わっていきます。
中心部が熱を受けるのは最後になるため、この部分の色をチェックすることで、加熱が十分かどうかを判断できます。
75℃で1分間加熱すると鶏肉は白く固まり、細菌も死滅します。
中心部が白く変化していれば、しっかりと火が通っている証拠です。
ただし、鶏肉の種類や加工によっては白くならないこともありますが、基本的にはこの方法で大丈夫です。
鶏ハムなど低温調理をする場合は、見た目だけでは判断できないため、特に注意してください。
透明な肉汁が確認できるか?
肉汁の色も重要なチェックポイントです。
透明な肉汁が見られる場合は、内部までしっかり火が通っている証拠になります。
一方で、肉汁が赤っぽい、または濁っているようだと、中がまだ生の可能性があり、もう少し火を通す必要があるということになります。
この色の違いを見分けるためには、菜箸や竹串を使って、肉からそっと肉汁を出してみると良いでしょう。
もし肉汁がすぐには出てこない場合は、肉の厚い箇所に竹串を刺してみれば、肉汁が出てきて色を確認できます。
中心部の温度を確認する
安全かつ美味しく鶏肉を調理するには、中心部の温度を正確に知ることが欠かせません。
63℃で30分、70℃なら3分間、75℃なら1分間の加熱が推奨されています。
竹串や料理用温度計を使用して温度をチェックする方法は、調理時に大変役立ちます。
中心部に竹串を差し込んで抜いた後、その先端をすぐに唇の下に当ててみてください。
もし熱いと感じれば、中心部は十分な温度に達していると判断できます。
より正確な判断を求める場合は、金属製の串や、料理用温度計を使用するのがおすすめです。
これらの道具を使えば、鶏肉が適切な温度になっているかをより精密に確認することができます。
1,000円前後で買うことができるので、1本あると便利ですね。
鶏肉が生焼けだった時にはどうしたらいい?
鶏肉を調理していて心配なのが、中まで火が通っていない生焼けの状態ですね。
ちょっとくらい生焼けでも問題ないと思うかも知れませんが、実は、鶏肉は十分に加熱しないと、食中毒のリスクが高まるんです。
だからこそ、鶏肉は内部までしっかりと熱を通す必要があります。
牛肉はレアで食べることができますが、鶏肉には食中毒の原因となる菌が存在します。
特に、鶏肉にはカンピロバクターという菌が含まれており、市場に出回る鶏肉の約40%から60%にその存在が確認されています。
また、鶏肉にはカンピロバクター以外にも、サルモネラ菌が含まれることがあり、こちらは75℃で1分以上の加熱が必要です。
このため、食中毒を避けるためには、75℃以上でじっくりと加熱することが肝心です。
もし鶏肉が生焼けであることが判明した場合は、中心まで火をしっかり通すために再加熱が必要です。
ここでは、調理中や調理後でもできる再加熱の方法を紹介します。
肉を薄切りにして加熱しやすくする
中心まで火が通らない場合の対策として、肉を薄く切ることが有効です。
調理中に肉を薄く切るのはちょっと難しいかもしれませんが、キッチンバサミを使えば、鍋やフライパンの中で直接、簡単に切ることができます。
キッチンバサミは調理器具を傷つけずに済むので、安心して使用できます。
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同じ調理方法で再加熱する
例えば、唐揚げが生焼けであれば、もう一度油で揚げ直し、チキンステーキはフライパンで焼き直すなど、元の調理法で再加熱するのが確実です。
既に味付けをしてしまった鶏肉の場合は、ジップ付きの袋に入れ、お湯で温め直す方法もあります。
ただし、強火で加熱し過ぎると、鶏肉が硬くなるので注意が必要です。
電子レンジを活用する
再加熱に電子レンジを使用する場合、内部まで素早く熱を通すことができます。
しかし、電子レンジによる加熱はムラが生じやすく、少しの過加熱で肉が硬くなったり、食感が損なわれるリスクもあります。
そのため、加熱は段階を踏んで慎重に行い、加熱の様子をこまめにチェックしながら進めることが重要です。
電子レンジを使用する際は、加熱の度合いに注意してください。
グリルやトースターで仕上げる
電子レンジや他の方法で再加熱した後でも、肉の表面をカリカリに仕上げたい場合は、グリルやトースターが有効です。
これらの調理器具を使えば、再加熱した料理の表面を一気に焼き上げ、美味しさを引き立てることができます。
特に、電子レンジで加熱した後の鶏肉がしっとりしすぎている場合、グリルやトースターでの仕上げ加熱は、外はカリカリ、中はジューシーな理想的な食感を取り戻すのに役立ちます。
ただし、グリルやトースターで加熱する際には、低温でじっくりと時間をかけることがポイントです。
生焼けなし!鶏肉を美味しく焼く方法
生焼けを避けつつ鶏肉を美味しく焼き上げるには、いくつかの焼き技が必要です。
今回は、私が実践している、効果的な焼き方を4つご紹介しましょう。
室温で温めてから調理する
直接冷蔵庫から出した鶏肉を焼くと、中心まで熱が行き渡るのに時間がかかります。
そこで、調理する前に鶏肉を室温まで温めておくと、熱が均一に行き渡りやすくなります。
調理する約30分前には、鶏肉を冷蔵庫から取り出しておくと良いでしょう。
冷凍鶏肉を使う際は、完全に解凍することが大切です。
電子レンジを使った解凍も一つの手ですが、部分的に熱が強すぎたり、水分が抜けてしまうことがあるので、冷蔵庫でゆっくり解凍するのがベストです。
焼く前に切り込みを入れておく
焼く前に鶏肉の厚い部分に切り込みを入れることで、熱が内部まで届きやすくなります。
肉の繊維にそって切り込みを入れれば、加熱時の収縮も抑えられ、仕上がりがより柔らかくなります。
皮の部分は、フォークで穴をあけておくと、皮がパリッと仕上がります。
この工夫は、生焼けを防ぐだけでなく、味付けが肉に染み込みやすくなるため、より美味しく仕上がります。
じっくりと加熱する
鶏肉を焼く時は、フライパンを予熱せず、鶏肉を入れてから火をつけるのがポイントです。
急に高温にすると肉が縮んでしまいますが、この方法なら肉が縮みにくいです。
加熱は、弱火から中火でゆっくりと行い、内部までじっくりと熱を通しましょう。
最後に、強火で表面をサッと焼き上げると、外はカリッと、中はジューシーな仕上がりになります。
蒸し焼きにする
フライパンで鶏肉を焼く際には、初めに蓋をして蒸し焼きにするのがおすすめです。
この方法で、中まで均一に熱が行き渡り、鶏肉をふっくらとジューシーに仕上げることができます。
また、この方法は加熱時間の短縮にもつながります。
蓋がない場合や洗い物を増やしたくない時は、アルミホイルを蓋の代わりに使うと便利です。
アルミホイルは、煮物など他の調理にも活用できるため、非常に便利です。
特に、煮込み料理ではアルミホイルを落し蓋代わりに使うことで、熱の循環を助け、料理を美味しく仕上げることができます。
まとめ
鶏肉の生焼け判断のポイントは、見た目の色や肉汁の様子、そして最も重要な中心部の温度を確認することです。
もしも、鶏肉が生焼けだった時には、再加熱したり、電子レンジやオーブントースターなどを使うといいでしょう。
調理する前に、室温に戻したり、切り込みを入れることで、美味しく調理できますよ。
また、ゆっくり加熱したり、蒸し焼きにすると、鶏肉の中からしっかりと熱を通すことができます。
肉をフライパンにのせる前の準備だけでなく、キッチンバサミのような便利なツールを上手に使いこなすことも、鶏肉料理を成功させるコツの一つです。
これらのポイントを押さえることで、生焼けのリスクを避けつつ、美味しく安全な鶏肉料理を楽しむことができます。