ラッコといえば、ふわふわで可愛らしく、水族館でも人気の動物ですよね。
1990年代の『ラッコブーム』の時には、日本全国で122頭ものラッコが飼育されていました。
しかし、最近は、日本でラッコを見ることができる水族館は少なくなってしまいました。
そこで今回は、日本でラッコがいる2つの水族館についてご紹介します。
さらに、ラッコが水族館で減少している理由や、日本の水族館からラッコがなくなる可能性についてもお伝えします。
ラッコに会いたい方は、ぜひ読んでみてくださいね。
ラッコがいる水族館はどこ?日本で見れるのは2ヶ所だけ!
ラッコは、今、絶滅の危機に瀕しています。
日本では2023年7月現在、ラッコに会える水族館は福岡県と三重県の2ヶ所、しかもたったの3頭しか飼育されていません。
いまや東京はもちろん、東日本でラッコがいる水族館はありません。
そんな貴重な存在であるラッコが見れる水族館についてご紹介します。
福岡県:マリンワールド海の中道
マリンワールド海の中道は、福岡市東区にあり、九州最大級の水槽やイルカショーなどが楽しめる水族館です。
この水族館には、オスのラッコ『リロ』が1頭飼育されています。
リロは2019年に和歌山県のアドベンチャーワールドからやってきたラッコで、マイペースでのんびり屋な性格です。
『ラッコのお食事タイム』というショーが、おすすめです!
エサのイカを手に持って食べたり、背中に乗せて食べたりするかわいらしい姿を見ることができますよ!
三重県:鳥羽水族館
鳥羽水族館は、三重県鳥羽市にある水族館で、日本最古の水族館の一つです。
この水族館では、メスのラッコ“メイ”と“キラ”が2頭飼育されています。
メイは2000年に日本で初めてラッコの赤ちゃんが誕生した水族館で生まれたラッコで、キラは2018年に和歌山県のアドベンチャーワールドからやってきたラッコです。
エサタイムでは、石を使って貝を割る姿も見られますよ。
福岡のマリンワールド海の中道では、ガラスが傷つかないように、貝ではなくイカが餌として与えられています。
貝を割って食べるのを見ることができるのは鳥羽水族館だけなので、とても貴重ですね。
また、おもちゃタイムでは、ボールやバケツなどのおもちゃで遊んだり、飼育員のおじさんととじゃれあったりする姿も見られます。
ラッコが水族館で少ないのはなぜ?
ここからは、ラッコが水族館で少ない理由をお伝えします。
絶滅危惧種で輸入が規制されている
野生のラッコは、毛皮目的の密猟や原油流出事故、地球温暖化などの影響により減少しています。
絶滅危惧種に指定されていて、ワシントン条約でも取引が規制されています。
そのため、水族館に新しいラッコを入れることはとても難しいのです。
繁殖が難しく死亡率が高い
ラッコは繁殖がとても難しく、高齢化や病気などで死亡する個体が多いです。
ラッコの妊娠期間は約6ヶ月で、一回の出産では通常1頭しか産まれません。
水族館では、人工保育でラッコの赤ちゃんを育てようとしていますが、成功率は低いのが現状です。
警戒心が強くストレスに弱い
ラッコは警戒心が強くストレスに弱い動物です。
水族館では、シャチやヒグマのような天敵はいませんが、人間や他の動物の存在や音などがストレスとなり、食欲不振や行動異常などを引き起こすことがあります。
水族館ではラッコのストレスを軽減するために工夫をしていますが、それでも水族館の環境に適応することができないラッコもいます。
ラッコは日本の水族館からいなくなる?
ラッコが日本の水族館からいなくなる可能性は高いでしょう。
福岡のマリンワールド海の中道のリロは16歳、羽鳥水族館のメイは18歳・吉良は14歳です。(2023年9月現在)
飼育下だと平均寿命は20歳前後なので、いずれも高齢のラッコなので、もう繁殖は望めません。
ラッコが日本国内で生息しているのは、北海道です。
ただし、その天然のラッコの生息数は正確にはわかっていません。
北海道ではラッコを観察するツアーも開催されています。
⇓ 自然のラッコが見られるツアー ⇓
ツアーではなく、自然界でラッコを見ることができる場所もあります。
例えば、北海道東部の霧多布岬では、野生のラッコを観察することができるのです。
もし霧多布岬でラッコを観察したいと思われる方は『ゲストハウス・えとぴりか村』での宿泊がおすすめですよ。
さいごに
ラッコがいる水族館は、福岡のマリンワールド海の中道と、三重県の鳥羽水族館だけです。
その数もわずか3頭。
今のままだと、ラッコが日本の水族館からいなくなる日が来てしまうかもしれません。
ラッコに会いたいと思っている方は、ぜひ早めにマリンワールド海の中道か、鳥羽水族館に訪れることをおすすめします。